SOLD OUT
木場 淑江 / Primitive works : on the skin
装身具は古来からわたしたちの肌の上でその造形や色を通じて伝えられてきた、ひとつのツールであり、芸術的表現である。
木場淑江の装身具を携えると、体の内側に流れる人間本来の血と、時間を感覚する。
彼女の創りだしたプリミティブでシンプルな造形、色、素材へのアプローチを眺めると付け加えていく『装飾』という言葉と相反した削ぎ落されたカタチへの探求が見えてくる。それは同時に民族回帰ともいうべき力強さを蓄えている。
木場淑江は1960年代より造形研究所に通いながら、現代彫刻を発表してきた造形作家であった。そのスタイルをジュエリーという装身具に転換したのは1980年に入ってからのことである。
装身具の制作は彼女の中にあるマイノリティーへの憧れと自らの中に流れている"日本人としての血"との接点をみつける作業であったという。
今回は1993年頃から始まった彼女の代表作の一つでもある古い和紙の書物たちとの出会いから始まった、“こより”を用いた作品や大胆で彩りの美しいチョーカーやブローチなども含め近年までの作品を展示する。
是非この機会に、触れ、身につけて知覚する、コンテンポラリージュエリーの世界に足を踏み入れて頂きたい。