電車で
並んで座り
だまったまま
風景を
見つめていた
あの日
あれが
わたしの
ずっと
探していた
幸せだった
(収録作品「車窓」より)
愛する人への想いに心を揺さぶられる、珠玉の36篇
「いなくなってしまった大切な人」への想いを綴る、詩集として異例の売行をみせる著者の最新詩集。
若松英輔(わかまつ・えいすけ)
1968年新潟県生まれ。批評家、随筆家、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。
著書に『小林秀雄 美しい花』(文藝春秋、第16回角川財団学芸賞、第16回蓮如賞受賞)、『詩集 見えない涙』(亜紀書房・第33回詩歌文学館賞詩部門受賞)、『いのちの巡礼者』(亜紀書房)などがある